骨董市での競りの駆け引きや伝説の贋作師による製作過程など、骨董業界とそこに集う人間たちの知られざる一幕はたいへん興味深く読めますが、これらの描写の迫力に比べると肝心のミステリー部分はやや散漫な印象を受けます。どなたかも書かれていますが、語り口の構成があまり巧いとは言えず、多種多様な登場人物たちと事件との関係性が終盤に至ってもいまいち整理しきれていません。従ってコンゲームの種明かしにも明快さが感じられませんでした。
北森鴻氏では同じく古美術商ものの「孔雀狂想曲」や連作ミステリー「香菜里屋」シリーズなど、短編のほうが語り口にリズムがあって読ませます。やはり短編向きの作家さんなのかもしれません。
狐罠 (講談社文庫)
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これから北森氏を読む方へ。北森鴻は、実は短編に珠玉の作品が多い。ただ、シリーズものの続編が多いので、これも「緋友禅」など冬狐堂シリーズへの入り口として読んでほしい。はっきり言えば、氏の長編はちょっともたつくというか、ごちゃごちゃする感が否めない。本書も例外ではないのだが(だから星四つ)、読んでおいて前提がわかった方が、短編が何倍も楽しめる。
今でもこういう風呂敷画商(古いね)のような世界が、確かに存在するのだ。
今でもこういう風呂敷画商(古いね)のような世界が、確かに存在するのだ。
骨董業界の裏側というか、人の思惑が良く描かれている。言葉には裏があるし、人は思いを全て伝えようとはしない。化かし合いなのだ。裏の裏は表ではなく、違う裏になる。そんな世界が興味深かった。
1997年に出た単行本の文庫化。
宇佐見陶子がデビューする作品。骨董世界のだましあいを描いたコン・ゲーム。片仮名でコン・ゲームと書くべきではないかも知れない。コン・ゲームというと、軽いのりのスピーディな小説をイメージしてしまうが、本書はそうではない。いかにも北森作品らしく、重苦しい雰囲気に満ちている。結末の暗さと後味の悪さは一級品だ。好きな人は好きだろう。
ただ、肝心の「だまし」がいまひとつに感じられる。また、著者には厚いものを書くだけの構成力がないのではと思う。
骨董業界の裏側、美術作品の知識は良く調べられており、勉強になった。
宇佐見陶子がデビューする作品。骨董世界のだましあいを描いたコン・ゲーム。片仮名でコン・ゲームと書くべきではないかも知れない。コン・ゲームというと、軽いのりのスピーディな小説をイメージしてしまうが、本書はそうではない。いかにも北森作品らしく、重苦しい雰囲気に満ちている。結末の暗さと後味の悪さは一級品だ。好きな人は好きだろう。
ただ、肝心の「だまし」がいまひとつに感じられる。また、著者には厚いものを書くだけの構成力がないのではと思う。
骨董業界の裏側、美術作品の知識は良く調べられており、勉強になった。
市場を始め、一筋縄ではいかぬ古物業界の描写が読む者を楽しませる。
そしてこの本では「贋作」が最大のテーマになっているのだが、
稀代の「贋作師」まで登場し、古木選びや塗料選びから始まって
渾身の贋作作りをする様が非常に迫力があり面白かった。
そしてこの本では「贋作」が最大のテーマになっているのだが、
稀代の「贋作師」まで登場し、古木選びや塗料選びから始まって
渾身の贋作作りをする様が非常に迫力があり面白かった。



