昔「小説吉田学校」という好著があったが、それの「田中学校」版といった感じ。ただ、小説吉田学校は「小説」というだけあって、一応のストーリー性があったが、本書は、個々の主要な政局や人物を切り出し、かつ非常に端的に描くので、ややぶつ切りの感はある。
代議士たちの奮闘、と書いたが、基本的には大部分、政局における話がメインである。
本書のメリットは、まず、吉田内閣から細川内閣直前くらいまでを、まとめて概観することができる点、そして、派閥力学や政局感覚をある程度知り得ること、また、代議士たちのメンタリティに触れることができること、等である。
読みやすさとしては、ひとつひとつのトピックスが短く端的に描かれている点がよい。また、登場人物ごとに、初見の際に簡単な経歴、選挙出馬に至った動機、選挙の様子が紹介され、人物像も端的にわかりやすく描かれる。
読みにくさとしては、主要トピックス、それも政局がメインであるため、トピックスとトピックスの間の流れがわかりにくく、また時間的に話が前後することもある。
メリットとして書いたとおり、戦後政局の概観には打って付けと思う。



