最高です。大人の純な恋心を呼び起こしてくれる。そんな物語です。
読んでいるうちに、ファンタジーという名の奇妙な世界にグイグイ引き込まれてしまいます。
文字を読んでいるのに生々しい映像が浮かんでしまう。
ひゃぁ〜これって、と読んでる途中「ふっ」と我に返りつつ、
でももその世界から逃げ出すのがイヤになる。引き込まれっぱなしの連続です。
とにかく、読んでみてください。
わたしは「まる呑み」が好きだな。
わたしも、愛する誰かを呑み込みたいです。
変愛小説集
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ひどく変わった味がする短篇小説のアンソロジー。グロテスクな愛、型破りの愛、一方的な愛、奇想天外な愛などなど、普通の「恋愛」小説とはひと味もふた味も違う「変愛」小説がずらり、並んでいます。
アリ・スミスの「五月」を冒頭に、レイ・ヴクサヴィッチの「僕らが天王星に着くころ」「セーター」、ジュリア・スラヴィン「まる呑み」、ジェームズ・ソルター「最後の夜」、イアン・フレイジャー「お母さん攻略法」、A・M・ホームズ「リアル・ドール」、モーリーン・F・マクヒュー「獣」、スコット・スナイダー「ブルー・ヨーデル」、ニコルソン・ベイカー「柿右衛門の器」、ジュディ・バドニッツ「母たちの島」を収録。「僕らが天王星に着くころ」を除いて、すべて、『群像』誌上に初出・掲載された短篇小説。
なかでもバツグンに風変わりで、変てこな話の奇妙な味に引き込まれたのが、「五月」「リアル・ドール」「母たちの島」の三篇。木に恋した人と、その人を気遣う人と。ふたりの無償の愛が美しく描かれた「五月」。妹のバービー人形とつきあってる僕の変態性活を、生き生きと、コミカルに綴っていく「リアル・ドール」。父親たちのいない島で育てられた女の子たち。未知なる男どもへの不安と期待が高まっていくなかで、話が急展開し、とんでもない所に着地する「母たちの島」。
こんな面白くて、読みごたえのある海外短篇のアンソロジーを読んだのは、小野寺 健・編訳の『20世紀イギリス短篇選(上・下)』(岩波文庫)以来。強烈な読後感は、どこか異国の料理店で、知られざる特別料理を堪能した気分に似ているかも。
岸本さんの融通無碍、達意の訳文が素晴らしかったです。
アリ・スミスの「五月」を冒頭に、レイ・ヴクサヴィッチの「僕らが天王星に着くころ」「セーター」、ジュリア・スラヴィン「まる呑み」、ジェームズ・ソルター「最後の夜」、イアン・フレイジャー「お母さん攻略法」、A・M・ホームズ「リアル・ドール」、モーリーン・F・マクヒュー「獣」、スコット・スナイダー「ブルー・ヨーデル」、ニコルソン・ベイカー「柿右衛門の器」、ジュディ・バドニッツ「母たちの島」を収録。「僕らが天王星に着くころ」を除いて、すべて、『群像』誌上に初出・掲載された短篇小説。
なかでもバツグンに風変わりで、変てこな話の奇妙な味に引き込まれたのが、「五月」「リアル・ドール」「母たちの島」の三篇。木に恋した人と、その人を気遣う人と。ふたりの無償の愛が美しく描かれた「五月」。妹のバービー人形とつきあってる僕の変態性活を、生き生きと、コミカルに綴っていく「リアル・ドール」。父親たちのいない島で育てられた女の子たち。未知なる男どもへの不安と期待が高まっていくなかで、話が急展開し、とんでもない所に着地する「母たちの島」。
こんな面白くて、読みごたえのある海外短篇のアンソロジーを読んだのは、小野寺 健・編訳の『20世紀イギリス短篇選(上・下)』(岩波文庫)以来。強烈な読後感は、どこか異国の料理店で、知られざる特別料理を堪能した気分に似ているかも。
岸本さんの融通無碍、達意の訳文が素晴らしかったです。
現代英米文学作家の中で飛び切りの奇想を得意とする10人が書いた恋愛に関する奇妙奇天烈な11作品をセレクトした風変わりなアンソロジーです。編訳者の岸本佐知子氏が意図された通り、本書の収録作品にはまともな普通のお行儀の良い物語はひとつもありません。どんなに愛する対象が奇妙でも、不思議な出来事が降り掛かって来ても、思い込みが激しく盲目的に愛してしまうパターンが多く、他に愛と憎しみは背中合わせである事を実感させる物語、不幸に取りつかれて離れられない悲哀の物語などがあります。私が印象に残った5つの物語を紹介します。
『五月』アリ・スミス:突然に木に恋してしまう性別不詳の人物の物語です。主人公は世間から理解されず疎外されますが、無害であればそっとしてあげたい気持ちになります。『まる呑み』ジュリア・スラヴィン:人妻が若い男を体内に呑み込んでしまうお話で、体内でのセックスなどグロテスクかつ想像不能の領域で勿論真面目ではないですが、発想の奇抜さに感心しました。『リアル・ドール』A・M・ホームズ:バービー人形に恋した少年の話で、流血シーンは一切ないですが次第に生理的な恐怖感がじわじわと込み上げて来ます。『ブルー・ヨーデル』スコット・スナイダー:不意に失踪した恋人の行方を追って飛行船を追いかけ続ける男の話です。ひたすら愛の為にどんなに小さな可能性でも諦めない姿は貴いと思います。『母たちの島』ジュディ・バド二ッツ:戦争で男たちが出て行って女だけが残された島に、異国の兵隊が来て女たちに子種を宿させて去って行きます。子供が大きくなったある日、悲劇が再び繰り返されます。決して感情を表に出さない女たちの闇の心模様が、さり気なく描かれていて却って深く心に伝わります。
愛は喜び悲しみの何れにしても心に深く浸透して強烈な感情を呼び起こします。ハッピーエンドで終わらない複雑な思いの詰まった「変愛小説集」を讃えたいです。
『五月』アリ・スミス:突然に木に恋してしまう性別不詳の人物の物語です。主人公は世間から理解されず疎外されますが、無害であればそっとしてあげたい気持ちになります。『まる呑み』ジュリア・スラヴィン:人妻が若い男を体内に呑み込んでしまうお話で、体内でのセックスなどグロテスクかつ想像不能の領域で勿論真面目ではないですが、発想の奇抜さに感心しました。『リアル・ドール』A・M・ホームズ:バービー人形に恋した少年の話で、流血シーンは一切ないですが次第に生理的な恐怖感がじわじわと込み上げて来ます。『ブルー・ヨーデル』スコット・スナイダー:不意に失踪した恋人の行方を追って飛行船を追いかけ続ける男の話です。ひたすら愛の為にどんなに小さな可能性でも諦めない姿は貴いと思います。『母たちの島』ジュディ・バド二ッツ:戦争で男たちが出て行って女だけが残された島に、異国の兵隊が来て女たちに子種を宿させて去って行きます。子供が大きくなったある日、悲劇が再び繰り返されます。決して感情を表に出さない女たちの闇の心模様が、さり気なく描かれていて却って深く心に伝わります。
愛は喜び悲しみの何れにしても心に深く浸透して強烈な感情を呼び起こします。ハッピーエンドで終わらない複雑な思いの詰まった「変愛小説集」を讃えたいです。
『「変」愛小説集』と言うタイトル通り、恋愛を扱ったアンソロジーですが、対象や設定が突飛で、確かに「変」の字を当てたくなるアンソロジーです。
しかし、編者も言っている通り、設定や対象が「変」でも、そこに描かれている感情は非常にピュアなものがあります。だからこそ、普遍的な「恋愛」小説として読むことが出来るのでしょう。
編者がこのアンソロジーを編んだ意図も、その辺りにあるのではないでしょうか。
今や食傷気味の「純愛小説」群には反発もありますが、このピュアな「恋愛」感情には全く嫌みがありません。むしろ、その一途さに惹かれるものがあります。
個人的には、この中では相対的に最もまともなラストの『母たちの島』が面白かったと思います。
戦争と言う極限の中で、女たちの島にやってきた兵士。
そして、その後に残ったものは・・・。
結果として残された娘の目を通して暴かれて行く過去は、母達の歓びと悲しみの混じり合った複雑なものです。更に・・・。
非常にユニークで面白いアンソロジーでした。
しかし、編者も言っている通り、設定や対象が「変」でも、そこに描かれている感情は非常にピュアなものがあります。だからこそ、普遍的な「恋愛」小説として読むことが出来るのでしょう。
編者がこのアンソロジーを編んだ意図も、その辺りにあるのではないでしょうか。
今や食傷気味の「純愛小説」群には反発もありますが、このピュアな「恋愛」感情には全く嫌みがありません。むしろ、その一途さに惹かれるものがあります。
個人的には、この中では相対的に最もまともなラストの『母たちの島』が面白かったと思います。
戦争と言う極限の中で、女たちの島にやってきた兵士。
そして、その後に残ったものは・・・。
結果として残された娘の目を通して暴かれて行く過去は、母達の歓びと悲しみの混じり合った複雑なものです。更に・・・。
非常にユニークで面白いアンソロジーでした。
とても素敵な本を読みました
現代英米文学の奇才10名による11の短編集です
わたしの敬愛する岸本佐知子さんが監修し
そして翻訳したこの本は
「恋愛」ではなく「変愛」というタイトルどうり
すこし歪曲した愛の形を描いた作品が集められています
わたしは恋愛至上主義ではありません
LOVE & PEACE であるにこした事は無いけれど…
しかし「愛」についてこだわりはあります
小説や詩や歌の中に
「愛」について語られているものがたくさんあるのは
かつてだれも「愛」の定義をきちんと唱えていないからです
でも決して形のないものではありません
じゃあ…なぜ?
それはすべての「愛」について語ると
それぞれに形が違うからです
他人からみると滑稽に見える物も
その人には光り輝いて見えるからです
だからわたしはゴシップに並ぶような
他人の愛について興味や偏見がありません
そう…すべての「愛」は個人的な物で
「偏愛」であり「変愛」なのです
全世界共通の「愛」などありえないのです
噛み砕いて言えば
何でもアリなのです
「愛」の純度が増すほど「変」になってゆき…
そして思考が「偏」になるのです
そんな事を思いながら
この本を読み終わり
岸本さんのあとがきを読んだら
同じような事が書かれてありました
やはり類は友を呼ぶのでしょうか…
この本にはとても純度の高い「愛」が詰まっています
木を愛する人…
人形を愛する人…
形は違うけど
すべてがそれぞれに成り立っています
一人一人が恋愛個人主義
それでいいのです…
大正解です
しかし岸本さんは名翻訳家ですね
これだけタイプの違った作家の
一般的には「変」とよばれる作品を
最後まで何の違和感も無くさらりと読ませてしまう…
とても美しいアンソロジーです
あくまでも私の見解ですから…
あまり信用しないように(笑)
少なくとも
名作と呼ばれる恋愛小説や
ミリオンセラーのラブソングに共感する人は
読まない事をお勧めします
あれは
夢物語ですから……
現代英米文学の奇才10名による11の短編集です
わたしの敬愛する岸本佐知子さんが監修し
そして翻訳したこの本は
「恋愛」ではなく「変愛」というタイトルどうり
すこし歪曲した愛の形を描いた作品が集められています
わたしは恋愛至上主義ではありません
LOVE & PEACE であるにこした事は無いけれど…
しかし「愛」についてこだわりはあります
小説や詩や歌の中に
「愛」について語られているものがたくさんあるのは
かつてだれも「愛」の定義をきちんと唱えていないからです
でも決して形のないものではありません
じゃあ…なぜ?
それはすべての「愛」について語ると
それぞれに形が違うからです
他人からみると滑稽に見える物も
その人には光り輝いて見えるからです
だからわたしはゴシップに並ぶような
他人の愛について興味や偏見がありません
そう…すべての「愛」は個人的な物で
「偏愛」であり「変愛」なのです
全世界共通の「愛」などありえないのです
噛み砕いて言えば
何でもアリなのです
「愛」の純度が増すほど「変」になってゆき…
そして思考が「偏」になるのです
そんな事を思いながら
この本を読み終わり
岸本さんのあとがきを読んだら
同じような事が書かれてありました
やはり類は友を呼ぶのでしょうか…
この本にはとても純度の高い「愛」が詰まっています
木を愛する人…
人形を愛する人…
形は違うけど
すべてがそれぞれに成り立っています
一人一人が恋愛個人主義
それでいいのです…
大正解です
しかし岸本さんは名翻訳家ですね
これだけタイプの違った作家の
一般的には「変」とよばれる作品を
最後まで何の違和感も無くさらりと読ませてしまう…
とても美しいアンソロジーです
あくまでも私の見解ですから…
あまり信用しないように(笑)
少なくとも
名作と呼ばれる恋愛小説や
ミリオンセラーのラブソングに共感する人は
読まない事をお勧めします
あれは
夢物語ですから……




