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若者言葉に耳をすませば
山口 仲美
価格: ¥1,470 (税込)

単行本
出版社: 講談社
発売日: 2007/07/31
ISBN: 4062141604
おすすめ度:4.0
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言葉は社会と時代と文化の鏡
この本は日本語学者の山口先生が、学生との座談会形式で話した内容をまとめたものである。

対象が名が知れた大学の学生である事、場所が講談社の社屋である事、目の前にいるのが大学教授の山口先生である事からか、驚いたのは非常に言葉に対して保守的な考えを持っている若者が多いという事、そして古い言葉が時代を超えて再びよみがえってきている事、そして、言葉の多様性である。

学生でも「美しくない言葉」(美しい自体がもう死語だが)をあまり快く思わず、そして批判される「れ」抜き言葉を不快に思っている子がいたり、その反面、KYに代表されるような省略語暗号語の多用も世代をあらわしていると思った。

そのように友人同志でしか伝わらない暗号のような言葉が一つの小さな社会の中でよく使われグループを形成しているのである。

そして私の時代にはとっくに死語になった古いギャグが再び脚光を浴びている、しかもすこしひねりをきかせて、が面白い。

言葉は時代に沿って変化するものであるので、はやり言葉にとやかく言う気はない、しかしやはり古い人間であるから「言霊」を信じる私としてみれば、忌み言葉を軽く使う風潮だけは承服しかねる。

若者の言葉に関する柔軟な発想に大笑いし、今の文化を認識することはできた一冊。楽しめました。
若者理解につながる一冊
昨今の若者言葉について日本語学者である著者が分析した一冊。とはいっても気軽に読めます。
ここでは一つ一つは取り上げませんが、著者によるまとめを引用しておきます。
「若者たちは、若者言葉を使って、必死にコミュニケーションを図っています。1仲間意識を持ちたい、2自分の気持ちを伝えたい、3しかも感覚的に伝えたい。また、じゃれあいの時期ですから、4言葉で遊びたいし、5笑いを取って仲間の気を引きたい。また、若者は社会人のように鍛えられていませんから、6傷つきたくない。これらの目的が、若者に若者言葉を使わせるのです」(本文157ページ)
個人的には「いと」「おほとのごもる」などの古語が多用されているという指摘が面白かったです。

いきいき生きるための若者言葉探し
 読者が若者ならば、同世代が今使っている言葉の確認ができる。読者が中高年ならば、耳をすませて若者言葉に聞き入ることがあっていいのだろう。著者は今使われている若者言葉を優しい視線で見つめ、何のためにそのような新しい言葉を使うのか、その目的にまで迫ろうとしている。よく頭ごなしに「わけのわからない奇妙な言葉」「乱れた言葉」として批判的に見てしまう大人が多いが、本書ではその現状を静かに聞き入り、分析する。アンケート、座談会を重ねて、その特色と目的をまとめ簡明に解説している。
 コッケイロン(省略語) メッチャ(強調語) チーン(擬音語・擬態語)おほとのごもる(古語)なんでやねん(方言)わけわかめ意味とろろ(語呂合わせ)お便器で(トイレ表現)… 
 なぜ若者言葉を使うのか…仲間意識を持ちたい。気持ちを感覚的に伝えたい。笑いをとりたい。かっこよく生きたい。傷つきたくない等々。
 一方、「中高年は若者言葉をこう見ている」の項目も立てている。座談会では、四十代は若者寄りであり、五十代は理解しつつも、時には腹を立て、六十代は批判的で注文を多くつけるとのこと。実は、中高年も若いときは今では古い「いかす」「えびぞる」「重いコンダーラ」などと使っていたし、そして「ら」抜きもしていた…
 若者は中高年の言葉にあこがれる面があることを最後に本書が指摘しているのが注目される。案外エレガントな昔の言葉、癒しの言葉、粋な言葉遊びも楽しんでいるという。中高年のあいさつ言葉では「ごめんくださいませ」は一番人気であったとのこと。
 とにかく本書は「若者言葉」を見直そうという、中高年向け【いきいき生きるための若者言葉探し】の好著である。
 



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