ひとつ前に戻る

秘密 小池真理子対談集
小池 真理子
価格: ¥1,680 (税込)

単行本
出版社: 講談社
発売日: 2006/10/06
ISBN: 4062136392
おすすめ度:4.5
Amazon ランキング: 363292位
発送可能時期: 通常24時間以内に発送

amazonの詳細ページへ
素晴らしい人との『出会い』

高樹のぶ子さんとの対談の後、小池真理子さんはこう書いている。
『ひと言で言えば、この方は私にとって「希望の星」である』

小池さんは年齢を重ねてからの恋愛を全面的に肯定しているし、
女性の更年期についてもすごく前向きに捉えているけれど、
そうは言っても年を取っていくことへの不安は当然、
少しはあるだろう。

恐らく高樹のぶ子さんというのは、小池さんにとって
見本にしたいような女性であるに違いない。

自分よりも年長の女性で、
あんなにあらゆる意味で自分が憧れる存在がいる。
そういう女性を実際に目の当たりにしている喜び。
これが希望の星でなくて一体何なのだろうか。

その彼女の喜びがほとばしるような対談である。
さすが小池先生
どの作家との対談においても、流れている内容の匂いというか、テーマが一貫している。作家という、限られた人にしか覗き見ることのできない世界においての困難や、追求の楽しさなどももちろん語られているが、やはりどの対談においても、小池氏が考え語っているのは、恋愛はいわずもがな、性、性愛、そして年齢というものについてである。
人にはどういった恋愛のかたちでもありうること、性愛はどの恋愛においても欠くことのできない重要なファクターであること。そうして、今、最も小池氏が重要視し、創作する上でも自身が生きる上でも常に念頭に置いているのは、「年齢を脱ぎ捨てる」ということだと思わされた。これは決して老いから逃げるということではなく、どんな時も、恋をするならば年齢などということにこだわっていては本物の恋などできない、その真髄を見ることはできないということである。
実際、小池氏は今も「恋」をしながら書き、生きている。

それにしても、各作家との2ショットに映る小池先生の、なんちゅう美しさ!まるでモデルだ。素敵な恋をしている証拠なんだろうなあ。まさに、自身の描く小説の世界を地でいく人である。
作家という仕事。
本書のために対談が組まれたのではなく、ここ数年の間に小池氏が対談してきたものをまとめた1冊。そのために、小池ファンとしてはすでに読んでいたものもいくつかはあった。
高樹のぶ子氏との対談の冒頭に「藤田さん、直木賞おめでとうございます!」なんて書かれていると、いったい何年前の対談?と首を傾げてしまった。でもこうして1冊になってみると、小池真理子の変化がわかり、それも興味深かった。年を重ねてますます彼女は退廃的、背徳的なものに強く惹かれだしている。近年の「青山娼館」「虹の彼方」などの作品の根底がわかった気がした。
性愛をテーマに創作を続ける小池氏だけに、対談の相手に求めることもその手の話。アニー・エルノー氏、渡辺淳一氏、高樹のぶ子氏を除いては、「作家」であるがために「モラル」と「背徳」の間を行きつ戻りつ、苦悩していることがわかる。一方の小池氏は「不倫」を真っ向から肯定してかかるので、なかにはたじたじの作家さんも。「子どもはいつかは手を離れるし、介護から解放されるときも必ず来る。そのときどうやって自分の女性性とむきあうか」と小池氏は言うけれど、大半の女性はその二つのために人生の殆どを奪われているわけで、彼女達が少しでも現実から離れた世界で遊びたいと、恋愛小説を手に取っていることを忘れないでもらいたいと思った。それと、そんな家族のしがらみの中にも幸せがあることも。



本のみちしるべ Powered by Amazon Web Service
PR: FS研究室