ニューヨーク地下共和国(上)
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この小説は9.11テロを題材としているが、本当の主観は現在米国を蝕んでいる、拝金主義、一国主義、ファシズム、人種差別などの暗部を浮き彫り視することだと思う。世界の警察を自負する国家がこれほど病んでおり、自由の国がこれほど抑圧されていることに驚きを隠さない。この国を手本とし、これからも進んで行くであろうわが国に、一抹の危惧を持たずにはいれない。熱心に新聞を読んでおられる方には、新しいことが少ない作品なのかもしれませんが、私には驚きの連続であり、ベトナム戦争時の米国を思い出す。主人公のゼムのモデルは、レノン名のかも!
エンロン事件、9.11テロを軸に物語が展開する。上巻は9.11までの話で、下巻はその後、と言った感じだが、いまいち何が書きたかったのか分からない。記載されている内容は、新聞や雑誌やテレビで書かれていたような事ばかりで掘り下げがない。反戦を訴えているのは分かるが紋切り型で感情移入ができなかった。最後も「ふーん」と言う感じだし、読後に残るものがなかった。アクション要素も入っているが、特にハラハラする事もなかった。
エンロンの破綻と同時多発テロが関連しているかのような記述があり、著者がどう「推理」していくのか非常に関心を持って読んだが、最後まで曖昧なままだった。色々な登場人物が謎を掛けては死に、尻切れトンボのまま別の人物が登場し物語を運んでいく消化不良なストーリー展開。結局、ニューヨーク地下共和国なる(想像上の)テロ組織の正体もわからずじまいだ。
読後は、セックスとバイオレンスで味付けされた安っぽいメロドラマという印象しか残らなかった。もう少し骨の太いものを書く作家と思っていたのに残念だ。
読後は、セックスとバイオレンスで味付けされた安っぽいメロドラマという印象しか残らなかった。もう少し骨の太いものを書く作家と思っていたのに残念だ。



