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ぜつぼう
本谷 有希子
価格: ¥1,470 (税込)

単行本
出版社: 講談社
発売日: 2006/04/28
ISBN: 4062133245
おすすめ度:4
Amazon ランキング: 83394位
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4重軽い感じが良い
主人公の芸人は悩んでいるわけですが、
その重いようで軽い、軽いようで重いところを楽しく読めます。

「変さ」を受け入れられるかで評価が割れそうですが、
少なくとも小難しい作品ではありません。
4絶望に食われる様。
本谷有希子氏の小説はどれも勢いがあって、この作品も然り。
しかも、本書はココロえぐられるような暴力性も合わせ持っている。
確実に物事の核心をついていて、思うところある読者にとっては
心臓にノミを打ち込まれるほど強烈。

絶望。それ自体が暴走し、己を浸食していく。
その様はあまりに生々しく不気味である。
主人公戸越は自分と重なる部分も多く、苦笑いしながら読了しました。
物語に惹き込まれあっという間に読めてしまうでしょう。
4妙な救いも感じてしまう逸品
過去に一発屋として売れた芸人が
その人気の凋落とともに引きこもり、
悶々とした日々を送っていたが・・・
という暗い私小説の現代版のような設定だが
異様に軽やかなストーリー展開に
妙な救いも感じてしまう逸品。

書き手が女性だからと決め付けたくは無いが
引きこもりを笑い飛ばさんばかりの
悩むことのばかばかしさが強調されている気がする。
3意外に軽やか。
最初は装画とタイトルのインパクトが強すぎて
「おどろおどろ系か?」とちょっと躊躇しましたが、
意外や意外、するすると、あっという間に面白く読みました。

かつて一世を風靡したドキュメンタリーバラエティの餌食である
元・芸人の主人公の、疎ましき日々からの遁走に始まり、
変なおっさんとの出会い、たどり着いた先でのこれまた妙な出会い、
そして自意識過剰な彼がある踊りでスパークするエンディングまで
一気に読ませる筆力はすごいです。

本谷さんの作品はこれが初めてだったのですが、
最初に予想していた印象と違って(作品のタイトルがどれもディープインパクトすぎた)、
いい意味で裏切られました。

こういう人はいるかもなぁという妙なリアリティがあり、
些末なことに苦悶し続ける生きざまに、哲学的な印象すら抱きました。
あと、のびたうどんが食べたくなります。

これをきっかけに、ほかの作品も読んでみようと思いました。
5読み進めさせる力
一言でいって、読みやすい本である。著者がTVのインタヴューで、いかに読み手の勝手を意識しているか、つまり読みやすさに心を砕いているかを語るのを見て納得した。
純文学ファンとしてみれば、その分かりやすさが、強調されすぎにも思えるキャラクター作りなんかに出ていて(これは演劇の影響か?)、まあ、身近にそんな極端な人なんかたいてい居ないわけだから不満かもしれない。
しかし、思わずわが身を省みるくらい共感できる内面描写もあり、そのような欠点は意識されない。むしろ、平凡な生活者の目線ならではの生活ネタがそこかしこにあり、それもこの本のウリさと思う。
純文学らしく読み手の解釈を要求する部分もありながら、きちんと起承転結してくれていて読後感は非常に良く、私のようなミステリーとかファンタジーでは食い足りなく、純文学は読み辛いという人にはうってつけ。
こういう作家にもっともっと売れて欲しい。読書というものをさらに楽しくするために。



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