泉麻人さんが気象予報士の資格を取った。合格率5%前後の狭き門だ。
数式を暗記するため伊勢丹で単語帳を買ったら、「セイヤング」を聞きながら受験勉強をしていたころが甦っただとかが、サラッとした調子で書かれてある。でもたぶん、本の裏側ではその何百倍の努力もしていたのだろう(あとがきでちょっとだけ勉強の量とかに触れている)。それをあまり感じさせず、たんたんと書くところが泉さんらしさだと思う。とはいえ、3回目の試験で合格したときはやはり嬉しかったらしく、祝杯のビールをひと息に飲むと「喜びの気流が上昇し、頭の上にポン! と祝砲が上がった」そうだ。
気象予報士を目指す人には「モチベーションを高めるための本」としてもいいかも。資格を取るまでのおよそ2年間の道のりを振り返ると「未開拓の筋肉を鍛え上げていくような愉しさ」があったそうだ。よく、合格までの道のりは、入門書『百万人の天気教室』から入って、参考書『一般気象学』に移れといった王道が囁かれる。この本が加われば「気象予報士への道3点セット」だ。
もちろん、たんなる合格までの勉強日記ではない。泉さんのファンは言わずもがな、気象予報士とは無縁の人でも楽しめる。気象庁の食堂のカレーライスの味とか、天気予報と絡めた、またはあまり絡んでいない、食べ物の味、はたまた街の風情、人の表情、虫の音色なんかを味わうことができる。体育会計気象予報士・平井信行さんも出てくる。
泉さんが気象予報士に受かったのは50歳目前。自分がオヤジになったということをかなり意識している。けれど、20歳台半ばの気象予報士養成講座の受講生たちと徹夜カラオケで互角以上に渡り合って、ケツメイシとかm-floとかを平気で歌えるオヤジはそういないと思った。
「お天気おじさん」への道
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