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庭の桜、隣の犬
角田 光代
価格: ¥1,680 (税込)

単行本
出版社: 講談社
発売日: 2004/09/29
ISBN: 4062125897
おすすめ度:3.0
Amazon ランキング: 461442位
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夫婦であることのよさを見直させてくれる
同じ屋根の下に住んでいても、お互い理解できない部分もある。夫婦だから互いの
すべてを知っているとは限らない。この作品を読んでつくづくそう感じた。それは
許される範囲なのか?はたまた許せない範囲なのか?私は、宗二の部屋を借りた
理由が何となく理解できる気がした。一人になって自分を見つめたいときもあるのだ。
また同時に、房子の気持ちも分かる気がする。この二人、いろいろあるけれど結局は
ずっと夫婦でいるのだろう。怒ったり、笑ったり、泣いたり、悩んだりしながら、
人は生きていく。夫婦でいることの意味は、もっとずっと後になってから分かること
なのかもしれないけれど、夫婦でいることのよさをちょっぴり感じさせてくれる
作品だった。
マイベスト
作者の小説をいくつか読みましたが、
イチバンのめり込めた作品でした。

30代子なし夫婦の心理描写は、
「ああリアルだ」と思わせます。
30代でも夫婦でもないんですけどね、私は。

話的にはハッピーでもないのですが、アンハッピーでもない。
ビミョーっちゃビミョーです。
でも、ゆるいんだかきついんだか、
きっちりと判別できないあたりが、そそられます。
なぜなら、それが日常を生きるってことだ思うので。

在るべき場所はどこだろう?
 なんだか、とてもリアルな世界と、地に足のつかないふわふわとした世界が渾然一体となった小説。
 子供こそまだいないが、主人公の房子と宗二、30代の夫婦は仕事もある、家もある、親もいる、平均的な夫婦である。ところがこの夫婦、拠り所がないというか読んでいて頼りない。お互いの信頼も生活の密度も、人が居てそこで泣いたり笑ったりしているという“温度”がどうにも伝わってこない。
 それでいて、房子の実家の父母の言葉、一挙手一投足はさもありなんというほどに、とてもリアルなのである。
 宗二の母に至っては現役ばりばりの「人生」に前向きな人物像だ。
 
 自分たちなりの解釈なしに結婚して、行き場のない思いにとまどう30代の夫婦と、60代の、世間並みかそのちょっと上の生活を手にすることを目指して、黙々と営んできた生活を疑うこともない夫婦の対比が、とてもおもしろい。

 宗二が会社の近くに自分だけの安アパートを借りて、一人安らぐ居場所を確保するのは、夫婦間の愛とか信頼感が希薄で、家庭というものに自分が属しているという観念がないからだ。
 房子にしても、宗二の母の前では「嫁」という役割をしっかりこなせるのに、その役を降りている時はふらふら出歩き、自分の在るべき場所を探したりする。
 家族、親族の中の役割はすごくうっとうしいけれど、ある意味、好むと好まざるとに関わらず、自分というものをしっかり繋ぎ止めるロープのようなものなんだなあと、再認識させられた。
 「庭の桜」は家族のシンボル。幸せの証。……これが親世代。「隣の犬」は飼うことの煩雑さを省いたお手軽な、気分だけの借り物。これが房子たち。
 結婚という問題の、“答え”に正解はないのかもしれない。相手にとまどい自分にとまどう房子と宗二。ラストシーンの房子の心中は、どうだったのか?もの凄くあれこれ考えてしまい、なかなか頁を閉じられなかった。

微妙
微妙です。
ありがちとなさそうと
共感できると仮託できないと
微妙なあわいを描きます。

結婚や家庭のリアルを描こうとした筆者の試みは
半ば成功して,半ば気持ち悪いキメラを生み出したような感じがしました。

読み終わって,ため息ひとつです。

家族は儀式と時間を重ねて家族となる
30代の子供無しの夫婦宗二と房子
住宅ローンを組みマンションも購入した二人は、世間から見たら夫婦だ
でも、宗二も房子も夫婦という実感を抱けてない
出会いから結婚までのプロセスを覚えてはいるが、世間の夫婦と比較すると
自分達が夫婦でいる意味を見出せずにいる
そんな中仕事が遅くなるからという理由でアパートを宗二が借りる
根無し草のような二人は夫婦としてどうなってしまうのか・・・
宗二・房子を交互に物語が進む
二人の結婚生活の行方が気になりながら、二人を取り巻く環境に気を揉み
かつ、親戚付き合いに一喜一憂しながらすぐ読める
夫婦や家族は、恋愛と違いやっぱり「営み」だから日々の生活では埋没される
そこに、非日常の儀式が絡む時、家族は結束し、皆それぞれの役割の顔を受け持つ
結婚に迷いを感じたり、自信が無くなりそうなとき読むと背中を後押しして
気持ちを軽くしてくれる本に感じた



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