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ランドマーク
吉田 修一
価格: ¥1,470 (税込)

単行本
出版社: 講談社
発売日: 2004/07/16
ISBN: 4062124823
おすすめ度:4.0
Amazon ランキング: 383250位
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今度は県北かぁ。
吉田修一はパークライフが一冊目。サラリとした肌ざわりが心地よくて読み進めて後半、“彼女”が秋田の角館出身と知り俄然興味倍増。そして数冊を経て今日このランドマークを読んでたらまたまた秋田が出てきた。この方言は北だなって思ったら、比内町…やっぱり県北だった。彼の本、秋田は重要なキーワードか?でも最後、良さんだったのは切なかった。てっきり政和だと思った。
作者の小説的意図が透けてしまう
「大宮スパイラル」は各フロアがねじれながら、
巨大な螺旋を描いて天を衝くような構造のビル。
このビルに投影されて描かれるのは、都市生活の秩序と整合性、そしてその中にある個という、
相反する要素が内包する矛盾と歪み、そして今にも崩壊してしまいそうな危うさである。
ただ、対象が巨大ビルというものであったために、
ある程度 建築工学的な説明を展開せざるを得なかった面が見られ、それがやや鬱陶しい。
勿論人物の叙述を使うなどしてそれを読者に意識させないようにはしているものの、
作者としても「これが伝わるのか?」という迷いがあったように感じてならない。
最終局面におけるくどいまでの反復は、そのあたりが表面化しているのではないだろうか。
そういった作為的な面を読者に感じさせてしまう面、完成度の高い作品とは思えなかった。

ここ最近の吉田作品を見ていてどうしても気になるのが、
映画、曲、ブランド、などといった固有名詞から人物の横顔や空気を
描こうとする点である。
共感を呼ぶにはリアルだとは思うものの、これが「同時代性」を失った時には、
あっという間に陳腐化してしまう危惧がある。
リアルな現代を描き出すということに対する拘りであるならば、
それも良いのだが、普遍的な表現でもそれは達成できるはずである。
吉田修一の筆力をもってすれば。
歪み
人間が永遠に理解できないものは人の気持ちだ。
相手の気持ちを確かめようとし、自分の気持ちを確かめようとする。
もしくは、思い込むことで分かったふりをする。
人は何かを証明をするために、目に見える形で表さなければならなくなる。

心に歪みを持った人間達が、ねじれた塔を作り上げる。
ランドマークはそんな歪んだ心の象徴的な存在。


ねじれから導かれるもの。
ねじれ構造を持つ「スパイラル」。
そんな象徴的な建物を建設するために働く二人を中心に、
物語はカウントダウンと共に展開する。

 10、唇にキスして。9、私の髪を撫でて。
 8、私に触れて。ゆっくりと。ゆっくりと。
 7、そのまま!そして、まっすぐにナンバー1に向かいましょう。ナンバー1に。
 6、唇。5、指。4、プレイ。
 3、……ナンバー1に。ナンバー1に。
 キスして。髪を撫でて。私に触れて。
 まっすぐに。ナンバー1に。
 ゆっくりと。ナンバー1に……。

序盤に提示されるこの歌によって、物語の結末は“予感”させられる。
ナンバー1で果たして何が起こるのか。
この物語はねじれから導かれる解放と崩壊を描いている。
なかなか楽しく読めた。
理解できない部分が・・・
そのビルを設計した者、そのビルを建てている者。彼らには彼らの、それぞれの人生がある。ビルはねじれたままで、存在し続けることができるのか?ビルの姿におのれの人生を重ね合わせている男たち。彼らは、自分たちの人生もどこかねじれていると、感じているに違いない。良治の人生が、全てを物語っているような気がした。内容的には理解できない部分があったのがちょっと残念!



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