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スロウハイツの神様(上) (講談社ノベルス)
辻村 深月
価格: ¥893 (税込)

新書
出版社: 講談社
発売日: 2007/01/12
ISBN: 4061825062
おすすめ度:3.5
Amazon ランキング: 33350位
発送可能時期: 通常24時間以内に発送

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そんなに好みではない。
 ミステリーを期待していたのが間違いだったんですが、個人的にはあまり好きではないと思いました。確かにいつものように(他の作品のように)さくさくと読めたんですが、あいにく、ページをめくる時間すらもったいない!!というほどではなかったです。
 
 若手創作者、もしくはその卵たちの同居生活。
 辻村さんの他の作品に比べて事件性が低く、日常生活が主なのでいつものように楽しめなかったのかもしれません。
 
 ただはっとさせられるというか、ぐッとくるせりふは多々ありましたね。

 登場人物のように何か書いている、描いている、作っている、もしくはそれを夢にしている人が読んだら、「そうそう!」と思う点がたくさんあるんじゃないかな。

 環は最初あんまり好きじゃなかったけど、読んでいくうちに好きになりましたね。他の人たちも。
 でも、他の作品ほどじゃなかった。

 ミステリー風の謎解きも、びっくりさせられたけど、『冷たい校舎の時は止まる』みたいな驚きはなかったし。
 
 作者の創作への心構えというか考え方というか、そんなものが透けて(いい意味で)見える作品じゃないかなぁという気がしました。
変な感覚
話自体は面白く読めたし、一部の登場人物は非常に魅力的に描かれていて
読み物としてはそう悪いものではないのかもしれないが、作品全体に漂う
斜に構えたというか、スカしたような雰囲気がどうも鼻について素直に楽しめなかった。

自分には合わなかったというだけかもしれないが、なんだか微妙でもどかしい読後感。
好きです
読みはじめからぐんぐん引き込まれるというよりは、人物を知っていくうちに自然と読み進められる感じでした。
狩野のポジションが絶妙ですね。いちばん平凡そうだけど、じつは一番謎の人。飄々としています。
実は上巻を読み終えてもあまりぴんとこなかったんですが、下巻でやられちゃいました。伏線が心地よい作家さんですよね。ピタピタ嵌る感じが私は好きでした。
魅力ある個性とは
若いクリエーター(とその卵)達が住むアパートの風景を描いています。

昨日上巻を読み終えたばかりですが、アパートのオーナーで脚本家の環と、彼女に接する漫画家の卵=狩野の態度が興味深かったです。

アパートの住人は(長野正義と森永すみれを除いて)それぞれ恋愛関係ではない、友人同士なのですが、
特に
若い女の子で、夢を実現していて、派手でお洒落。だけれども必ずしも人付き合いが得意では無い「環」
に接する、
若い男の子で、まだ夢を実現していない「狩野」
の態度は見習いたい、と言うとなんだか僕自身が情けなくなってしまうのだけれども、「彼のようでありたい。」と感じるところがありました。

人の欠点を指摘して「もっと、人には優しくしなきゃ」と言うのは簡単だけれども、軋轢を生むことを承知の上で人に厳しく接する人にそんな事を言うのは無粋ですよね。
環の嘘に気づきながらも、その意図を汲んで、咎めず楽しく過ごす(と言う風景が具体的にこの小説に書かれているわけではないですが)狩野。
しかも、それを無自覚に行っている狩野の、ある意味では懐の深さにあこがれを抱いて、上巻を読み終えました。
迷っているのなら
辻村深月さんの小説は全て目を通していますが、今回の作品もまた心にくるものがあります。

思わず登場人物たちが羨ましくなってくるような環境。
何かのオマージュ要素が隠れている気もしないでもないですが、逆にこれぐらいの方が分かりやすくて良いのではないだろうかという感想を持ちました。
またストーリーを読み解く内に露呈される真実、そして未来は、他の作家では味わえない持ち味を存分に出し切っているのではないかとすら思えます。

次に読む本を迷っているようなら、この本を買ったほうがいいです。
損はしませんから。



スロウハイツの神様(下) (講談社ノベルス)
辻村 深月
価格: ¥987 (税込)

新書
出版社: 講談社
発売日: 2007/01/12
ISBN: 4061825127
おすすめ度:4.0
Amazon ランキング: 56066位
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「あの頃」の一部始終
スロウハイツ。

「この家ではゆっくり時間をかけて、できるだけみんなで会話する。そしてその分、夢とか理想だとかは、手早くぱっぱと叶えてね。」

目下注目中の若手脚本家、赤羽環は言います。

人には誰でも何十年たっても思い返し、懐かしみたくなるような「あの頃」があるはず。

このままこんな毎日がずーっと続けばいいのにと思っていたあの頃。あの日々。

でもそういう毎日ほど誰かが望んだ訳でもないのに儚いもので、必ず終わりがやってくる。人生の通過点に過ぎないもの。けれどだからこそたまらなくいとおしいもの。

スロウハイツに集まった人々はみんなそんなあの頃を生きていたのだと思う。

管理人、赤羽環のもとに集ったのは今を輝く売れっ子小説家のチヨダ・コーキ。それから夢と理想を胸に秘めたちょっと不器用な若者たち。

ここに描かれているのはそんなあの頃が始まってから終わるまでのお話。

辻村さんは大好きな作家さんです。
キャラが生きている話
下巻で個々のエピソードが一つに繋がった瞬間、心地よい爽快感がありました。
これも、そうだったのか!あれは、こういうことだったんだ!
と、上下巻を通して読み直して確かめなおしたりして、
読んでいて頬がほころぶような幸せな気持ちになりました。
それぞれ不器用な愛の形が示されていて、なにかが足りない完璧ではない所が、
よりリアルさを感じました。
他作品に出ていたキャラがリンクして登場するのも、そういった仕掛け好き派としては嬉しかったりも。
さらっと浅くしか心情を書かなかったキャラもいるので、もっとそのキャラの内面を知りたかった。
そう思わせる程に、一人一人のキャラがたっている。
いつも辻村さんの話を読む度にそこがすごいと思うし、辻村さんの作品を好きな理由でもあります。
心を癒してくれる作品
作者の言うとおり、おとぎ話のような作品だった。スロウハイツで
繰り広げられる人間模様。そのひとつひとつのエピソードが、心地
よく胸にしみる。環が歩んできた人生とは?なぜスロウハイツに
友人たちを呼び寄せたのか?彼女の心の奥底に秘められた思いとは?
前半のたくさんの伏線が、後半で見事な華に変わってゆく。その
過程を泣きたくなる思いで読んだ。
自分らしく、自分の心に忠実に生きることは難しいと思う。でも、
少しでもそれができたなら、こんなに素敵なことはないだろう。
スロウハイツの住人たちがたまらなく愛しくなる。ラストもほのぼの
としてよかった。疲れた心を癒してくれる、そんな作品だと思う。
初めて
失礼な話、辻村さんのことは知りませんでした。この話を読み終わったいまでも覚えているのか危ういです。
でも、素敵だと思いました。元からそんなに本は読まないんですが、これは体の芯からなにかが込み上げてきました。
伏線という伏線が至る所にたくさんあって、伏線だなんて思えない細かいところまでに仕組まれてます。
読んでいる最中、何回も泣きそうになりました。環とすみれのことだったり、コウちゃんとのことだったり…。
読んで損はないです!

ただ、描写や時間の移り変わり?が少し分かりずらいところがあるので…。そこはとにかく慣れ、だと思います。
あたたかいお話でした☆
さて、前巻の伏線が見事に明かされました。伏線とも気づかない様な小さいエピソードまできちんと繋がっているのには感心しました。
出来すぎ感も否めなかったけど、最後は想像していなかった素敵なエピソードも披露され、温かい気持ちになりました。
欲を言うと、もうちょっと特定個人を深く書いて欲しかった。けど、5人もの人物を同時進行ともなるとそうも行かないんですよね。
なにはともかく愛があるお話で、不器用な愛の形がとても愛しく思いました。



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