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左近の桜
長野 まゆみ
価格: ¥1,365 (税込)

単行本
出版社: 角川グループパブリッシング
発売日: 2008/07/24
ISBN: 4048738275
おすすめ度:4.5
Amazon ランキング: 156127位
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4目眩ましを愉しむ
妖しい。艶かしい。匂やかで密やかで官能的な作品世界だが、
そればかりが前面に押し出されず、むしろ、十六歳の桜蔵(さくら)の
少年らしい硬さが浮き彫りにされるようだ。

男同士が忍び逢うための宿「左近」の桜蔵をめぐる12の連作短編奇譚集。
表紙装画は望月通陽氏。『こどものころにみた夢』(講談社)でも
長野さんと組んでいた望月さんの絵のたたずまいも絶妙だ。
シックで、抽象画のようだが妙にかわいらしくもある。

桜蔵をとりまく男たちの不思議さ。
義父を始めとする彼らは、クールで知的で思いきりエロティックで……。
彼らはなんとか桜蔵に、内にもつ資質を折にふれ知らしめようとするのだが、
桜蔵自身はこの世のものではない者たちに、幾度逢っても馴染まない。
するりと桜蔵に忍び寄り、いつしか現を幻と化してみせるあやかしの者たち。

くにゃりと目の前が歪み、知らぬ間に反転し、摂り込まれるような長野さん独特の世界が
この物語にもやはりある。
現実世界と異界とが自在に入り乱れるさまが引き立ち、読み手の脳裏に陰影を遺す。
異界と現の世界の滲むあわいに魅力があるのだ。
5「長野まゆみ」らしさ
素敵なお話でした。白昼堂々シリーズが終わって以来、「これは!」と思えるお話が少なかったように思います。最近の本はちょっと作風が変わってしまったように感じていて、ファンとしては寂しくもあったのですが、この「左近の桜」も期待せずに読んだ所…すごく面白い!こういうのを待ってました〜、とすごく嬉しい気持ちになりました。長野さんらしい物語に、久しぶりに出会えました。シリーズものということで、これからも続編が出るのかと思うとすごく楽しみです。

桜蔵という男の子が、自分では否定しながらも妖かしから逃れられない甘さや、桜蔵の周りの男達もとても魅力的で、これから桜蔵にどのように関わってくるのか、桜蔵がどんな男に成長するのかが気になります。弟の千菊も可愛らしくて、本当に登場人物の多彩さに目を見張ります。長野まゆみファンには必読の一冊になるでしょう。




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