死体フェチという奇癖を持つ「僕」と「森野」が、趣味がてらに、次々に怪事件へ挑むという快作ミステリ短編集(著者曰くファンタジー)。猟奇殺人鬼、手首切断収集マニア、生き埋め中毒者など、これ見よがしというくらいに襲来する倒錯犯罪者達を「同類」の二人が追い詰めるというのが可笑しい。
個人的に最も好感触を覚えたのは、第五作の「土」。ホラーテイストの作品に不条理や哀しみも湛えたバラエティーの豊かさは絶妙だ。
他作品にも目を通してきたが、この著者の強みは、ラノベから本格ミステリまで幅広く、それも手抜きなしで書き貫けるところなのだと納得した。着想力にかけては突出しているといって間違いない。だが、トリックはといえば安易すぎるし、展開も早々に察しがついてしまう。これには読んでいて些か辛いものがある。
単なるラノベ作家なら、これだけ書ければ及第点をつけられる。だが、この著者は本格ミステリを志向すべき方だと思うので、語彙力や構成力など、改善すべき点は多々あるだろう。そうすれば、硬質でかつ敷居が高すぎない作品が書ける作家として、更に飛躍できるはずだ。
GOTH―リストカット事件
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内容は殺人、血、死体のオンパレードで、
世のお子様たちにおすすめできるものではありませぬ。
しかし、2003年「このミス」で2位になったように、どの作品にも
読者をうならせる巧妙なトリックがちりばめられており、
主人公の「僕」と森野夜の不気味&軽快な学園探偵小説?として、
この手の小説が苦手なはずな私も、続きが読みたくなった不思議な短編集です。
世のお子様たちにおすすめできるものではありませぬ。
しかし、2003年「このミス」で2位になったように、どの作品にも
読者をうならせる巧妙なトリックがちりばめられており、
主人公の「僕」と森野夜の不気味&軽快な学園探偵小説?として、
この手の小説が苦手なはずな私も、続きが読みたくなった不思議な短編集です。
◆「犬」
連続ペット誘拐事件が巷を賑わせていた。
そんな頃、ゴールデンレトリバーとその飼い主の少女と出会った“僕”は―。
おそらく、視覚化不可能な小説特有のトリックが
使われているため、コミカライズされなかった作品。
不安や恐怖、さまざまな抑圧された感情に追い詰められた
犯人の人物像はすぐれて現代的で痛ましく、胸に迫ってきます。
▼付記
ちなみに、本作での森野の出番は比較的少なめですが、
意外とベタな「弱点」が明かされ、萌えキャラっぷりを
ちゃっかりアピール…、と思いきや、しっかりと
「裏」がありました。
◆「声」
▼あらすじ
北沢夏海の姉・博子が惨殺死体となって発見された。
明るく、外向的だった博子の死により、灯が消えたように
沈鬱なムードが覆うようになった北沢家。
そんな頃、夏海は痴漢から救ってくれた少年に、
博子の肉声が録音されたカセットテープを渡されて…。
▼感想
未コミカライズ作品。
しかし、本作の設定や趣向は、別作品である「記憶」とミックスされ、
再構築がなされることで、漫画オリジナルの作品となりました。
(作品名は、「記憶」)
本作で“僕”の重大な謎が判明することにより、続篇の可能性は、
ほぼなくなったと思われますが、最後に森野が見せた無防備な
素の表情に救われ、思いのほか暖かい余韻に浸れます。
連続ペット誘拐事件が巷を賑わせていた。
そんな頃、ゴールデンレトリバーとその飼い主の少女と出会った“僕”は―。
おそらく、視覚化不可能な小説特有のトリックが
使われているため、コミカライズされなかった作品。
不安や恐怖、さまざまな抑圧された感情に追い詰められた
犯人の人物像はすぐれて現代的で痛ましく、胸に迫ってきます。
▼付記
ちなみに、本作での森野の出番は比較的少なめですが、
意外とベタな「弱点」が明かされ、萌えキャラっぷりを
ちゃっかりアピール…、と思いきや、しっかりと
「裏」がありました。
◆「声」
▼あらすじ
北沢夏海の姉・博子が惨殺死体となって発見された。
明るく、外向的だった博子の死により、灯が消えたように
沈鬱なムードが覆うようになった北沢家。
そんな頃、夏海は痴漢から救ってくれた少年に、
博子の肉声が録音されたカセットテープを渡されて…。
▼感想
未コミカライズ作品。
しかし、本作の設定や趣向は、別作品である「記憶」とミックスされ、
再構築がなされることで、漫画オリジナルの作品となりました。
(作品名は、「記憶」)
本作で“僕”の重大な謎が判明することにより、続篇の可能性は、
ほぼなくなったと思われますが、最後に森野が見せた無防備な
素の表情に救われ、思いのほか暖かい余韻に浸れます。
高校生が主人公にしては過激すぎるくらい生々しい。
ハッピーエンドが好きな方は終わり方に不満が残るかも。
読ませる魅力が詰まっているので
あっという間に読めると思います。
ハッピーエンドが好きな方は終わり方に不満が残るかも。
読ませる魅力が詰まっているので
あっという間に読めると思います。
もう寝なければならない時間なのに、ページを捲る手を止めることができませんでした。
乙一先生のセンスと技巧にまんまとしてやられました。
それぞれのキャラクターが、いい意味で非現実的でした。
乙一先生のセンスと技巧にまんまとしてやられました。
それぞれのキャラクターが、いい意味で非現実的でした。



