怠け数学者の記 (岩波現代文庫)
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戦争末期の疎開先で食べるものがないのに皆良く勉強した、このようなクラスから優秀な数学者が輩出したことから生活環境と学問は相関関係が無いとの話。数学は厳密な論証で展開される明晰判明な学問ということになっている、それなら誰にでも容易にわかるはずであろう。しかしこれほどの数学者でも実に分かりにくいと告白され、自分の専門分野でも理解に多大の努力がいるし、専門外なら理解は到底不可能だと断じています。終いには何か数学書を早く読む方法があったら教えて貰いたいとまで懇願されているのにはおどろきました。この一文を読んだだけでもなんと勇気づけられたことか・・・学習院大のHPで飯高先生の思い出話も必見です。
世界的な大数学者の活躍がイキイキと伝わってくる。本人はこれ見よがしに語っているわけではないがそれだからこそ伝わってくるものがある。ノーベル賞受賞者である湯川博士、朝永博士を始めとした大科学者との交流と大数学者たちとの交流が日常として語られ、彼らの書物からはわからない一面を知る事ができる。また、数学教育について語られているが、今の学力低下の状況を予測しているのと同時に、解決策を講じている。すごく説得力があり納得しつつ、学力低下世代である自分としては、もっとましな教育を受けたかったと思う。数学は理論の積み立てよりも「数覚」という感覚が大事というのもなんとなくわかる気がする。感覚を大切にする教育が今後期待される。
数学者にとっての数学的真理とは,物質科学者にとっての 法則と質的にも似たようなものとして捉えられるらしい. 思考の世界に隠されたお宝である定理を「発見する」, その時数学者達は数覚という第六感的な感覚を 用いているのだそうな. 数学が苦手だったり嫌いだという人は, もしかしたら数覚が目覚めていないだけかもしれない.
この本の中で語られる小平さんの言葉に 暫し耳を傾けていただきたい. もしかしたら,数の世界の楽しさがいくらか分かるように なるかもしれない.



