中世ヨーロッパの、(半ば強制されて)神を慕う民が生きるそれなりに平和な農村に、
天使と名乗るが悪魔にしか見えない少年が突然現れ、居合わせた村の少年たちと
不思議な絆を紡いでいく。
彼はあまりにも非情、無慈悲な所業を行うかと思えば、一方であまりにも
魅力的で面白過ぎる数々の出来事を起こし、彼に触れた村人たちの心を
魅了し、支配してしまう。
そして神を慕い慎み深い(という事に体裁上はなっている)村人たちが
思わず頭を抱えてしまうが、同時に反論しがたい恐るべき本音・正論を
語り続けるのだった・・・
というようなお話です。めちゃくちゃ面白いです。
巻末の解説にも書かれていますが、湿っぽくなりやすい内容のお話な割には
少年が面白すぎるので、深刻な内容の割に楽しく読めると思います。
思春期以上の人にはぜひお勧めしたいです。
不思議な少年 (岩波文庫)
マーク トウェイン/中野 好夫/Mark Twain
価格: ¥630 (税込) 文庫 出版社: 岩波書店 発売日: 1999/12 ISBN: 4003231112 おすすめ度: ![]() Amazon ランキング: 19450位 発送可能時期: 通常24時間以内に発送 ![]() |
人間の愚かしさ、度し難い愚かしさを知りたければ本書を読まれたし。
人間に希望を、ある限りの希望を見出したければ本書を読むべし。
マーク・トウェインは第一次世界大戦の前に本書を書いている。
故カート・ヴォネガットはそのことに驚いていた。
二度の大戦を経てもなお、人間の愚かしさだけは克服されない。
人間存在に希望を見出したければ、まず徹底的に絶望すべきではないか?
人間の愚かしさを直視すべきではないのか?
トウェインはおそらく絶望していたであろう。
だからこそ、人間を救済する最後の手段を「ユーモア」だと断言することができた。
彼は「ユーモア」に絶望的状況を笑い飛ばす希望の光を見出している。
人間に希望を、ある限りの希望を見出したければ本書を読むべし。
マーク・トウェインは第一次世界大戦の前に本書を書いている。
故カート・ヴォネガットはそのことに驚いていた。
二度の大戦を経てもなお、人間の愚かしさだけは克服されない。
人間存在に希望を見出したければ、まず徹底的に絶望すべきではないか?
人間の愚かしさを直視すべきではないのか?
トウェインはおそらく絶望していたであろう。
だからこそ、人間を救済する最後の手段を「ユーモア」だと断言することができた。
彼は「ユーモア」に絶望的状況を笑い飛ばす希望の光を見出している。
改版前の岩波文庫で読んでから、早や30数年たつ。今回読みやすくなった改版を読んでみて、内容は変わっていないので(当たり前か!)やはり面白い。魅力的な全知全能の神がかり的な不思議な少年、サタン、彼はすべてお見通しの運命論者。16,000歳という年齢にしてからすごいが、これも結構毛だらけ、猫灰だらけ。
晩年のマークトウェインはペシミスティックに陥って、このような小説を書かせた云々なる解説がよく書かれるが、そんなことよりも中野が解説にチョコッと書いているように、この原作にはいろいろな「版」があった。その後の研究で、当時の編集者が勝手に加筆修正した箇所が多々あり、「原作のオリジナリティーって、なんやねん!」なる論議が起こってくる事しきり、ぷっつりと終わってしまう本作よりもこっちのほうが後日談としては面白い。いずれにせよ、世紀を超えた冒険譚に我々21世紀少年を導いてくれることだけは保証できる、この面白さ!
晩年のマークトウェインはペシミスティックに陥って、このような小説を書かせた云々なる解説がよく書かれるが、そんなことよりも中野が解説にチョコッと書いているように、この原作にはいろいろな「版」があった。その後の研究で、当時の編集者が勝手に加筆修正した箇所が多々あり、「原作のオリジナリティーって、なんやねん!」なる論議が起こってくる事しきり、ぷっつりと終わってしまう本作よりもこっちのほうが後日談としては面白い。いずれにせよ、世紀を超えた冒険譚に我々21世紀少年を導いてくれることだけは保証できる、この面白さ!
驚くべき作品である。
トゥエインの最晩年作。彼は晩年になってから世事に振り回され、世間忌避の状態であった、と
解説はいうが
そんなことは別にどうでもよい。
驚くべきなのはこの作品が、世界で最も真実に近づいた文芸作品のひとつであることだ。
作中にも感じられるのは東洋への傾倒と、基督教的西洋的歴史観物質観への 強い嫌悪と悪意である。
作中の「悪魔」のいうことは、全く信じるに値する。
他の評者の評するような「夢物語」でもなんでもないのだ。
惜しむらくはトゥエイン。ここ(本書の結論=つまり不朽の真実にして厳然として在るもの)より
先をどうするか、いかに超克してゆくかを、提示しえなかったのだ。それは彼を責めるわけにはいかない。
それにはbuddhismの高き峰に一旦登り、そして降りねばならなかった。
そしてそれは全く私たちの仕事なのだ。
トゥエインの最晩年作。彼は晩年になってから世事に振り回され、世間忌避の状態であった、と
解説はいうが
そんなことは別にどうでもよい。
驚くべきなのはこの作品が、世界で最も真実に近づいた文芸作品のひとつであることだ。
作中にも感じられるのは東洋への傾倒と、基督教的西洋的歴史観物質観への 強い嫌悪と悪意である。
作中の「悪魔」のいうことは、全く信じるに値する。
他の評者の評するような「夢物語」でもなんでもないのだ。
惜しむらくはトゥエイン。ここ(本書の結論=つまり不朽の真実にして厳然として在るもの)より
先をどうするか、いかに超克してゆくかを、提示しえなかったのだ。それは彼を責めるわけにはいかない。
それにはbuddhismの高き峰に一旦登り、そして降りねばならなかった。
そしてそれは全く私たちの仕事なのだ。
『萌える文学 Girl's Side』に紹介されていましたが、
…「萌えません」!!(笑)
でも不思議な魅力のある作品であることは確か。
マーク・トウェイン最晩年の作ということで、
『トム・ソーヤー』や『ハックルベリ・フィン』のはじけっぷりからすると
えらい枯淡の境地、そのクラクラする落差がまた素敵です。
萌えキャラとされる美少年の言動が、クールとかいう域を超えているので
ややげんなりする向きも……でも、明るい作品の中にも
どこか人間の悪とか暗さを感じさせるトウェインの本質が
一番まっすぐ出ている点でも興味深い作品です。
…「萌えません」!!(笑)
でも不思議な魅力のある作品であることは確か。
マーク・トウェイン最晩年の作ということで、
『トム・ソーヤー』や『ハックルベリ・フィン』のはじけっぷりからすると
えらい枯淡の境地、そのクラクラする落差がまた素敵です。
萌えキャラとされる美少年の言動が、クールとかいう域を超えているので
ややげんなりする向きも……でも、明るい作品の中にも
どこか人間の悪とか暗さを感じさせるトウェインの本質が
一番まっすぐ出ている点でも興味深い作品です。



