この小説の副題は「純粋な女」です。今でこそ、結婚前に処女を失うことは許されますが、作中、小屋に赤いペンキで書かれた「汝犯すなかれ」からわかるように、キリスト信者からすれば大変な事でした。
そのような大罪を犯し、殺人まで犯すようなヒロインのテスが何故「純粋」なのか?ここを読み解いて欲しい。
彼女の不幸を辿って行けば行き着く先は家庭にある。彼女の運命は作品の冒頭、或いは家名に寄って予め決まっていたということを御理解戴けると思います。ハーディは読みづらい、風景描写や語りがしつこいと思われがちですが、言葉とは裏腹に内容はシンプルです。原因―結果、この構図だけ頭に置いて頂ければ、この小説を十分理解出来ると思います。
テス 上 (岩波文庫 赤 240-1)
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これは逃れようのない数奇な運命を辿ることになるテスの物語である。
もし、あの道で反対の道を選んでいたら・・・。すべて見せ掛けだけの選択肢。予定調和のごとく消化されていくテスの人生。
まったく救いがないわけではない。ただ、幸せなときがどれほどあったのかと考えると哀しくなる。
ハーディの五大悲劇の中でも最高傑作と言われているものです。美しく純粋な女性テスと、当時の典型的な懐疑主義の青年エンジェル・クレアがヴィクトリア朝の歪んだモラルに翻弄される姿を描きます。彼女が家族を救うべく仕えた主家の息子に処女を奪われ、そこからテスの運命の歯車が狂い出します。社会の偏見と向き合い精神的に脱皮していくテスと彼女のエンジェルに対する自己犠牲的とも言える愛の深さがとても心に残りました。テスの不遇な人生には最後までドラマが待ち受けており、ラストの光景が頭に焼き付いています。
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ハーディの本は難しいが、内容は思った以上に深い。
「テス」で描き出されている主人公の女性テス。彼女は今では見ることができない程、純粋で愛する人の全てを信じる真っ直ぐな女性である。けれど、一度踏み外してしまった人生は彼女に容赦なく襲い掛かる。彼女を愛する二人の男性クレアとアレク。二人もまた自身の人生を狂わせていく・・。
「テス」で描き出されている主人公の女性テス。彼女は今では見ることができない程、純粋で愛する人の全てを信じる真っ直ぐな女性である。けれど、一度踏み外してしまった人生は彼女に容赦なく襲い掛かる。彼女を愛する二人の男性クレアとアレク。二人もまた自身の人生を狂わせていく・・。
話の展開はゆっくりだが、リアルに描き出された風景は容易に想像できる。ハーディ初心者にはもってこいの一冊である。


