◆「清兵衛と瓢箪」
作者自身の父子対立が投影された作品といわれていますが、
そのような文学史的知識がなくても、一篇の小説として、
非常に完成度が高いので、充分たのしむことができます。
清兵衛の趣味に対する周囲の無理解や理不尽な抑圧が露骨に描き出される一方、
清兵衛自身は、それに対して必要以上に萎縮したり鬱屈することなく、後には絵という
新たな趣味に目覚め、マイペースを貫いています。
その姿が実にすがすがしいです。
もちろん、清兵衛の目利きが確かなものであったと
証明されるくだりも、若干ベタですがやっぱり痛快。
ただ、そんな清兵衛をなおも苦々しく思っている彼の父が示す
「最後の一行」の行為は、今後の波乱を予感させ、不穏な余韻を
残しており、本作にふさわしい絶妙の下げだといえましょう。
小僧の神様―他十篇 (岩波文庫)
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既に新潮、角川の各文庫で志賀直哉の(初期)短篇集は読んでいたが、昨年末の城崎旅行を機に、「作者自選の短篇集」というこの岩波文庫版を読んでみた。
やはり収録作の中では「城の崎にて」と「正義派」が群を抜いている。名作の誉れ高い「小僧の神様」や「清兵衛と瓢箪」は、初めて読んだ高校生の頃は文章も上手で筋も面白く、正に名人芸だと感心したが、今回読んでみると、どうも作為が勝ち過ぎていて、それ程の名作だとは感じられなかった。
残念なことに本書にはあの名作「網走まで」が収録されておらず、「自選短篇集」が必ずしも「ベスト短篇集」とは限らないことを痛感した。
巻末に付された志賀直哉自身による「あとがき」は収録作執筆の背景が簡潔にまとめられており、一読に値する。他方その後にある別人の「解説」一人合点をクドクドと書き連ねたものであらでもがな。
やはり収録作の中では「城の崎にて」と「正義派」が群を抜いている。名作の誉れ高い「小僧の神様」や「清兵衛と瓢箪」は、初めて読んだ高校生の頃は文章も上手で筋も面白く、正に名人芸だと感心したが、今回読んでみると、どうも作為が勝ち過ぎていて、それ程の名作だとは感じられなかった。
残念なことに本書にはあの名作「網走まで」が収録されておらず、「自選短篇集」が必ずしも「ベスト短篇集」とは限らないことを痛感した。
巻末に付された志賀直哉自身による「あとがき」は収録作執筆の背景が簡潔にまとめられており、一読に値する。他方その後にある別人の「解説」一人合点をクドクドと書き連ねたものであらでもがな。
志賀直哉の小説はだいぶ前に読んだことはあったけど、その時の印象は、なんとなく良い話だなっていうくらいでした。でも最近になって読んでみると、前読んだときとは印象が違って、「なんとなく」の部分がなんとなくじゃなく、結構よくわかるようになってました。これからもがんばりたいです。明日もまだ生きていたいです。



