「スントミ町」と発音する。(東京都中央区新富町のこと)ですって。まるで外国語習得の心得か?荷風って本当に江戸っ子になりたかったんですね。というか、江戸とかパリとかとっても素敵!みたいなノリだったんだと思います。
荷風って本当に「作品より人物が面白い」って定評のある人ですが、この本も実に愉快。若旦那になりきっています。「新橋夜話」の「色男」なんか実にそのもの。でも、この頃の人達ってみんな谷崎もはじめ、俺はいいところの坊ちゃんだったんだぞ!みたいにエバる?性癖があって可笑しいです。本物の米問屋の坊ちゃんだった仏文学者鈴木信太郎先生なんか、全然自意識過剰なところがなくて、さっぱり気取っていませんでしたけど、すごいベランメエで圧倒されます。100%ネット純粋江戸弁です。って関係なかった?
だけど、逆に言えば、こういう「なりたい症候群」の人が結構よく出来た文学作品を残すのかも知れないです。ヨソ者の方が、世界をよく観察出来ますから。でも観察出来ても、ここまで表現出来るか?っていうと話しはまた別かもしれません。というわけで星四つ。
すみだ川・新橋夜話 他一篇 (岩波文庫)
|



