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草枕 (岩波文庫)
夏目 漱石
価格: ¥483 (税込)

文庫
出版社: 岩波書店
発売日: 1990/04
ISBN: 4003101049
おすすめ度:4.5
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文豪の転機
冒頭の一節が超有名な小説だが、この小説は実のところ、おそろしく読みにくい。
文体そのものは平易なのだが、聞いたことも無い漢語や禅語、有名なあるいは自作の漢詩、
和漢洋と時代を問わない芸術家やその作品名への言及、引用等々注釈がなければ
(私には)到底読み進むことは出来なかった。

作品そのものは、筋だけ追っていると何も起こらず、結末に至っても何が何だかわからない。
しかも、後の前期三部作、後期三部作のような心理小説的な迫真性に欠けるので、
淡々と場面、場面が移ろっていく感じ。
この小説は、漱石の芸術感を小説化したもので、漱石の分身たる「余」
をとりあえずの理想の環境(=都会から隔絶した美しい温泉場)に放り込んだ上で、
はなはだ人情的な事柄(=出戻り美人の誘惑と曰くありげな奇矯な言動)をその身の上に
生起させて、芸術的境地が成就し得るかを検証した実験小説と言える。
(その試みが結論を得たのか、或いは小説として成功したかどうかは別として)

漱石自身はこの作品を「閑文学」と称しているらしく、冒頭の名文とも相俟って、
美しい日本語(文章)を楽しむ、とか絵画的に読む、という読み方が一般的のようだが、
「悟りと迷」が同居する「那美」さんの煩悶や、住みにくい世の中を住み易くするという
意義を持つ芸術的感興に到達することの困難さ、偶然性などが描かれているのを目にすると、
この後、漱石が格闘する近代知識人の苦悩の問題を予見させて、そう軽くは読めない。

ただ、自然や情景の描写がとても美しいのは確かで、「余」が独り温泉の風呂に入浴中、
「那美」さんがそれと知ってか知らずか入ってくる場面での描写の幻想的な美しさには
本当に感心した。
面白いから、と人に薦められる作品ではないが、色々と考えさせられる作品である。
水墨画の世界
冒頭の「智に働けば角が立つ。情に棹させば流される。意地を通せば窮屈だ。とかくに人の世は住みにくい」という名文句で余りに有名な作品。漱石自身、本書の目的を「読者にある種の美的印象を与える事」と言っている通り、冒頭から漱石の持つ人生観が美しく表現される。また、文章の持つリズム感が非常に良い事にも感心させられる。

ストーリーはあって無きが如しで、画工が泊まる宿屋が現実のものなのか、謎の女那美が実在の人物なのか曖昧模糊としている。が、それが作品と余り関係しない点が本作の特徴である。漱石が英国留学でノイローゼになった体験に反発するかのように、作品中では西洋文学が批判の的になる。代わりに東洋的美が高く評価されている。作品自体が一幅の水墨画のようなのである。

非人情の世界で東洋的な美感を味わえる、名文に彩られた傑作。
アニミズム宣言
 智に働けば角が立つ、の名文句で始まる有名な小説だが、読み通したのは始めてである。しかしこれは小説、いわゆる典型的な小説ではないな・・・。
「画にかくに好いところですか」
「身を投げるには好い所です」
 なんてことばを交わしてみたい。
「憐れは神の知らぬ情で、しかも神に尤も近き人間の情である」
 キリスト教徒には決して書けない一文だ。
自由な生き方とは何か・・それを模索する!(;'Д`)ハアハア
(;'Д`)ハアハア  やっぱり題名にもあるやうに、草を枕にして眠るところに痺れた!今の時代、そんな野性味が溢れる人物はいませんから。
草を枕にして、一人の自由人として、何事にも囚われず、何事にも縛られない
勝平の生き方には・・・現代の若者が忘れていた、何かを思い出させる!!
美意識とは
漱石の美意識が前面に現れた作品
風景、背景の描写が写実的である。



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