動詞的人生
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動詞的人生をテーマに一つの動詞を各人が選んで書いたエッセイ集である。〈燃やす〉1946年、ぼくたちの家族は祖母と父を失った。二人とも別々の所で、別々の状況で野で焼いて、骨にして日本へ持って帰った(三木卓)。〈触れる〉触れるという行為には凡百の退屈な常識などいっぺんに覆してしまうほどの不思議な妖しい微笑を帯びたエロティシズムが潜んでいる(小池真理子)。〈こだわる〉人はこだわるゆえに苦しむ。耐える。頑張る(夏樹静子)。岩波「図書」に掲載したもののまとめである(雅)
「図書」に連載されている時、これが一冊になればなあとの思いがしたが、うれしことに『動詞的人生』で実現した。
一つの動詞から、四十六人の文章の達人がさまざまな人生を描いていく。時にマジメに、時にユーモアを交えて。
一番印象に残ったのは出久根達郎氏の「拝む」だった。亡父の写真のうしろに七十代の男の写真が隠されていて、それを毎日拝んだ亡母、さだまさしの世界に似て、ぬくもりが心に沁みた。
文量がほぼ5頁ずつ、内容はもちろん、書き出しや結びの文に光るものが多く、「課題作文」のお手本にもなると思った。



