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先端芸術宣言!
東京芸術大学先端芸術表現科
価格: ¥2,520 (税込)

単行本
出版社: 岩波書店
発売日: 2003/06/28
ISBN: 4000236350
おすすめ度: 評価なし
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   複数の領域にまたがった越境的な表現行為のことをインタージャンルと呼ぶ。21世紀を迎えた現在、芸術においてもこのインタージャンルな傾向がますます加速しており、身体性を強調したパフォーマンスやコンピュータ・テクノロジーを活用したメディアアートなど、多くの新しい表現が対応しつつある。当然、これら新しい表現の揺籃とも呼ぶべき美術大学の現場もこの傾向と無縁でいられるはずはなく、「絵画科」「彫刻科」といった従来の区分を再編する動きが国際的にも顕著である。高い関心を集めた東京芸術大学先端芸術表現科の開設もまた、こうした国際的動向に対応した事例の1つとして挙げられよう。本書『先端芸術宣言!』は、インタージャンルな造形教育を目指している同科の教科書的な書物であると同時に、このユニークな教育現場における創造、教育、実践の記録と呼ぶべき側面も併せ持っている。

   巻末の著者紹介によると、2003年現在同科に所属している専任教員は12名。本書では、建築、音楽、演劇など美術以外の諸分野にもまたがる多士済済な顔ぶれが「表現知の創出」や「創発環境の形成」を目指して営んでいる造形教育の事例が数多く紹介されている。紙幅の限界や内容の独自性もあってか、現場でどのようなカリキュラムが営まれているのかピンとこない面があるものの、本文中に登場する「ワークショップ」「コラボレーション」「グローバライゼーション」「セルフエデュケーション」などの用語は、同科の造形教育がアートシーンの国際的趨勢を強く意識したものであることをうかがわせてくれる。

   もちろん、「先端芸術表現」という造語が何を意味するのかは明瞭でないし、またそれを実現するためのメソッドが確立されているわけでもない。2003年に第1期の卒業生を輩出した同科の「大いなる新たな創造に賭けて見ようと思う野心」はまだ端緒についたばかりなのだ。その意味で本書は、新たな試行錯誤の始まりを告げる書物でもある。(暮沢剛巳)




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