「子供たちは勉強漬けで窒息しそうになっている」という認識が疑いようの無い事実であるかのように言われてきました。
しかし本書は、そのような子供像は20年も前のものであり、今の子供たちはむしろ勉強から逃走しており、従来の認識は正しくないことを明らかにします。
このような現状は必ずしもこれまでの「ゆとり教育」路線を否定することに直結するものではありません。
しかし、ゆとり教育が「たるみ」として推進されようとするならば、本書の示す問題意識はゆとり教育に大きな問題提起をすることになるでしょう。
ではなぜ子供たちは勉強から逃走したのか?
著者はその原因を「圧縮された近代化の終焉」というキーワードから解き明かしていきますが、あまり分かりやすい説明はなされていないように思います。
ただ、本書とあわせて同著者による『学力を問い直す』を読むと、著者のいわんとしていることは理解できます。
よって、本書は『学力を問い直す』とセットで読むことをおすすめします。
「学び」から逃走する子どもたち (岩波ブックレット)
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この本を大学の理科教育法ですすめられ読んで、全国の子どもたちがタイトルのように学びから逃走しているのだと思っていました。そしてそのような子どもたちをどのように学びに向き合わせるかを考えてきました。いま教育現場に立つことができました。今いる田舎の高校ではまじめで必死に勉強しています。なので私自身、少しこの本を信じすぎてしまったことに反省しています。教育は地域によってもちがいます。本の世界よりも実際に学校現場にいってみて感じることが大事だと思いました。
「教育」は誰にとっても無関係でないだけに社会において関心が高く、また現在教育改革が進められていることもあり、これからの教育について広く議論がなされている。そんな中、本書は教育危機の実態として子どもたちの「学び」からの逃走を取り上げ、社会に波紋を広げた。
著者は「学び」からの逃走という実態を、「東アジア型教育の破綻」と社会に広がる「ニヒリズム・シニシズム」といった視点から考察してゆく。また、「勉強」と「学び」の違いを丁寧に規定し、これから求められる「学び」について主張している。問題提起をするだけでなく、現在の危機的状況を乗り越えていくための方途についても言及しており、私たち一人ひとりがこの提言をどう捉えていくかが重要であると思う。
本書は21世紀における教育のあり方を展望していくうえで、非常に示唆的な一書である。
教育改革の必要性が、教育関係者のみならず政治家や市井の人たちの間から声高に叫ばれている。しかし、現状に対する正確な認識が欠如しているのではないか?そう疑いたくなるようなものが多い。そこで、本書は様々な調査やデータの国際比較をもとに、現在の日本の子の現状を描き出して見せている。一読した後、多くの読者が子どもたちの現状に驚かれることだろう。教育を、子どもたちのことを真剣に憂えている人にぜひ本書を読んで欲しい。



