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Homage to Catalonia (Harvest Book)
George Orwell
価格: ¥1,559 (税込)

ペーパーバック
出版社: Harvest Books
発売日: 1969/10/22
ISBN: 0156421178
おすすめ度:5.0
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ここでもスターリンは大活躍
 1936年から38年にかけてスペインで熾烈な内戦が勃発した。発端は急進的な左翼的政策を強行する政府に対し、当時モロッコにいた保守的なフランコ将軍が叛旗を翻す、という図式。政府軍(共和国軍)にはソ連をはじめ、世界中から左翼組織や民主主義的な組織、さらにはヘミングウェイやロバート・キャパなどの文化人が加勢する。かたやフランコ軍にはヒトラーやムッソリーニが肩入れし、あたかも民主主義対ファシズムの代理戦争の様相を呈するのだが・・・。

 当時無名のオーウェル青年は、当初は兵士になるつもりなど全然なくて、原稿のネタを仕入れるくらいのつもりでスペイン入りする。ところが現地に着くと、「義勇軍に入隊してファシストを打倒しよう」という空気が漲っていて、彼も即座にPOUMというアナーキスト系の義勇軍に入隊し、最前線に赴く。そして戦闘の傍らこのルポを書き続けるが、彼の視線はあくまでも冷静かつ辛辣で、同じ英国の作家で「ガリヴァー旅行記」の作者、ジョナサン・スウィフトを想わせる。

 本書の最もユニークな視点は、共和国側の敗北の原因が、支援国ソ連のデタラメさにあったことを怒りをこめて告発していること。しかも本書には記載されていないが、戦乱のドサクサに紛れてスターリンの命令により、スペインから数トンの金塊がソ連に盗み出されたという(第二次大戦後フランコが取り返した)。恐るべしスターリン、あっぱれスターリン、スペインを助けるフリをして実はこれだもんな。火事場ドロをしてもスケールが違うぜ(笑)。ただし本書は、当時純粋に世の中を良くしようという意志の下に結成された、さまざまな左翼組織(主にアナーキストの組織、もちろんソ連共産党は含まれない)が存在したことを教えてもくれる。しかし、このような組織は今となっては世界中のどこにも存在しない。現代の荒んだ自然環境に適応できない野生動物のやうに、完全に絶滅してしまった。何はともあれ共和国=善で、フランコ=悪、というアカ系の人々の欺瞞的歴史観は、すでに70年前に本書によって粉砕されている。本書や他のオーウェルの著作を読んで、反共にならなきゃウソだ。必読です!
反ファシズムの感性
ジョージオーウェルがスペイン内乱に反ファシスト(=反フランコ将軍)として共和国国際義勇軍に参加した話です。
ジョージオーウェルは実際に現場で生活して取材するスタンスをとっています。この作品もその例にたがわず自ら志願兵となって最前線で戦闘に参加しています。内容は日常的な塹壕生活や休日の様子を描いています。過去の話になってしまった私達にとっては具体的で、当時の感覚を知る上ではとても分かりやすいです。ルポルタージュとしても貴重な資料でしょう。
第二次世界大戦前夜になるスペイン内戦が、イタリアとドイツのファシズムの介入に対してオーウェルやヘミングウェイがイギリスやアメリカからファシズム阻止に立ち上がって銃を取ったリアルな体験を再現してくれています。
どうしても我々日本人にとってスペイン内戦は見逃しがちです。単に、ドイツと協力してアメリカと戦争をしたことから見かねないのですが、アメリカ人やイギリス人がファシズムに対して当時どのような感じを持っていたか、この本で分かります。そして、そのファシズムの末端には、日本も繋がっていたというところまで認識しますと、世界の中で日本もどのように見られていたかも類推できますよね。
大義と現実と
体験や立場によって、スペイン内戦の評価は大きく変わる。オーウェルが参加したPOUM(マルクス主義統一党)か、国際旅団化、CNT=FAIか。「革命」が目的なのか反ファッショ人民人民戦線=民主主義擁護が目的なのか。本書のオーウェルの観察も、本人が強調しているように事態の一端を描いているに過ぎない。しかしその率直で謙虚な観察記録が、スペイン内戦の(いまや評判の悪い)集団化のなかの共同性の豊かさを見事に描き出している。オーウェルが描くように、前線はどちらがわにとっても、本当に惨めな状況だっただろう。しかし、そのなかには、ほんの一時とはいえ、上下関係がなく、互いに分かち合う、「ラテン的気質の」文化が存在していた。
「大義」を語るのは簡単である。大義の後ろにどんな状態があるか、あったかを、多くの「革命的」ルポルタージュは率直に語らない。多くの人々の希望と絶望をいまにいたっても背負い続けるスペイン内戦、それはさまざまな立場から評価することができよう。だが、謙虚な筆致で、何度も修正をほどこしながら革命下の社会的現実を浮き彫りにしようとする本書の観察記録は、どのような立場であれ、謙虚に受け入れるべきだとおもう。
内戦、革命、人間
スペイン内戦勃発約半年後にスペインに渡り、共和国政府側に民兵として参加したジョージ・オーウェルのルポ。
戦争、内戦、共産党による粛清といった大きな背景から、周りの自然、人々の身なり、食事、配給といった日常のディーテイルまでが赤裸々に語られます。

こんな激動の時期(筆者自身が被弾します)でも、彼独特の人間を見る目、人間のdecencyへのrespectにははっとします。
オーウェルの著作数あれど、まずはお勧めです。
この時代・テーマが好きな方には、ケン・ローチの「大地と自由」もお勧めします。




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