ユーモアと皮肉に富んだ文章など、様々な魅力がありますが、何よりお伝えしたいのは、この本の主題が「自由」にある、ということです。
黒人奴隷が重要な登場人物の一人なのだから、当然のことと思われるかもしれませんが、彼にとっての「自由」以上に、主人公ハックの「自由」が問われているように思うのです。
物語のクライマックスで、彼はある選択を迫られます。友人である黒人奴隷の逃亡を助けるのか、それとも、法や社会に従って彼の所有者に突き出すのか、という。
ハックはこの問いをめぐり、真剣に悩むのです。
そして、最後に選択をする。
この選択の瞬間にこそ、彼は自らに染み付いている道徳、自らを縛り付けている鎖を断ち切って、初めて「自由」を獲得した、私にはそう思えます。
この時の高揚感といったら!
一度は読む価値のある本だと思います。
なお、方言が用いられているために、読むのにかなり苦労したことを付記しておきます。



